もう少しマジメに考えてくれぇ!

…式場選び

結婚とその時期が決まったら、次に考えるのは式のスタイルと式場。

私はもともと、披露宴はしなくてもいいと思っていた。ごくごく身内だけで式をして、両親に花嫁姿を見せられれば、それでいいかな、と。 もしするなら、70〜80名くらいで、アットホームな感じがいい。

が、花ムコは違った。「200人くらい呼んでにぎやかなパーティーがしたい」などと、こっちがびっくりするようなことを言う。200人って、一体いくらかかると思ってるんだ!しかも「レストランウエディング」だって。そんなレストラン、あるんかいな? でも、花ムコ殿がそうしたいなら仕方ない・・・

レストランウェディング(手間かかりそー)、しかも年内に、と考えると、時間的な余裕もあまりない。私は雑誌やら何やらを調べまくり、3月のある日、その結果を花ムコ殿に相談した。ところが、
「(きわめて面倒くさそうに)ええーっ?そんなことを考えるの、まだ早いよ…」
だって。…ど、どこが早い?いまだに何にも考えていないなんて、遅すぎだと思うけど…。

こちらがなんと言おうと、奴は全然動きたがらない。そのくせ注文だけはヒジョーにうるさい。そう、はっきりいってこの男、面倒なことは極力後回し&できれば人にやってもらいたいのだ。(夏休みの宿題は、最後の日まで全く手をつけないタイプ)

だめだ、この男は。もうほっとこ。でも、こうしているうちに、いいところなんて埋まっちゃうのになあ。本当に披露宴をする気、あんのかね?

ところが、じきにそんな暢気なことを言っていられなくなった。私の両親から、「できることなら9月中に」と注文が着いたのだ。
9月なんて、それこそもう半年もない。空いてる式場なんてあるのかなあ…
とにかく、すぐにでも会場を探して日取りを決めなくちゃ…

ここにきてようやく、花ムコ殿も現実に考えなければならなくなった。
200人(実は適当に言ったらしいけど)を収容できる、しかもおしゃれなレストランなんて、ほとんどない。第一費用が…そう、奴は費用の相場を知らなかった。
「…うえーっ、披露宴って、こんなにかかるの?」
私が以前見せた雑誌や本を見て、びっくりしている。 へっ、今更驚いてやんの。だから早めにって言ったのに…。

すると今度は、
「これじゃあダメだね。せいぜい60人じゃない?」
と、突然大幅な規模縮小。…な、なんでそんなに極端なの?(どうやら雑誌の見積もり例はその人数が多かったためらしい)…ったくもう、コロコロコロコロ言う事ことを変えて、一体、どんな披露宴がしたいわけっ?
結婚するって決めてから4ヶ月、何を考えていたんだろうね、この人は…。

二人であれこれ調べた挙句、まずはじめに、お互いに「ここ」と思った、立川の某「L」を下見することに。

「L」は、レストランではなく専門の式場だけれど、従来の式場とは雰囲気が違い、ゲストハウス形式の会場が三館、ガーデンまで独立した形で作られている。すべての会場に専用の厨房が併設され、レストランウェディングの雰囲気も十分。式場内には独立したチャペルがあり、式から披露宴会場までの動線もスムーズだ。 (なんか宣伝みたい…。「L」のまわしもんじゃないです、念のため)
それに、なにより綺麗!エントランスもチャペルも三つのゲストハウスも、写真撮影を意識しているのか、とにかく見栄えがいい。会場からは緑あふれる庭しか目に入らず、雑然とした町並みが覗くこともない。

実際に見学に行ってみたら想像以上に素敵な会場で、営業の方もとてもいい感じ。 とはいえ超人気の式場で、9月までなんてもう全然空きがない。

…ところが、あった。いや、出来た。「空き」が。
打ち合わせをしている最中、急にキャンセルが出た。なんと、7月31日!

「7月っ!?」
9月までのリミットはクリア、でも、あとたったの3ヶ月しかない!!

とはいっても、これからあちこち探し回るほどの余裕もないし、9月までに挙式できる、しかもこれ以上の会場が見つかる可能性は、…あまりなさそう…。
だけど、あと3ヶ月で準備できる?!

いや、もう、答えは出ていた。…「ここしか、ない」。
念のため10日間の猶予をもらったけれど、もうここ以外考えられなかった。

折りしも、「1999年 7の月」の最終日。
人類にも、私たちの結婚式にも、残された時間はあとわずかだわ。