田中屋@身延山:お部屋編の続きです。
こちらに宿泊したのは久遠寺の三門に近かったため、と書きましたが、もう一つポイントがありました。
それは、田中屋は夕食に精進料理が選べたこと。
本当は旅館ではなく宿坊に泊まりたいくらいだったのですが、そういうところは不便もありますよね。なので、旅館の快適さを甘受しつつ、精進料理で「お寺にきた気分」をちょっとだけ味わおう、というわけです。
やーねー、煩悩が捨てきれないわ(笑)
とはいっても、お肉や魚が一切出ない精進料理では、特に旦那には物足りないんだろうな、という懸念もあり。旦那には前もって「きっとボリュームがないからね、ものたりないからね」としつこく念を押して、夜食のおやつまで購入しておきました。
でもこれ、全くの杞憂だったんですよ~。
着席した時のテーブルは、こんな感じ。
いま改めてみると、火を使うお料理が二つあったんですね。そこからしてちょっと贅沢だわ。
では、ずらずらとお食事の内容をご紹介していきましょう。
前菜:二色菊と胡桃の和え物
いきなりなんですが、これが、めっちゃくちゃ好みの味だったんです(笑)
食用菊は東北では割とよく食べるのですが、この味付けは、田舎味(おい)とは違って、ちょっと甘めで上品で。
いやーー、これでいきなり唸りました(笑) あ、旦那はこれにはそれほど反応していなかったも。やっぱり菊を食べる習慣がなかったからかな…
向付:身延湯葉の刺身
これもねー、見てくださいよ、この見た目の美しさ。生湯葉が豆乳に浸っているんですが、湯葉がおいしいんですよ~。無花果やクコの実の色も鮮やかで、見てよし、食べてよし…
あれ、なんか私、太鼓持ちみたいになっちゃってますけど、ホントに口にあったんです。この最初の二皿でやられました(笑)
煮物:飛龍頭 銀杏田舎煮 茄子の焼き浸し
これも茄子の焼き浸しが特においしくて、家でも真似をして作っています。
台物:炙り豆腐の棒葉焼き
んー、この時もっとも印象に残らなかったのが、これかな(笑)
棒葉焼きに食傷気味であることと、ボリューム感を出すための一品だと思うのですが、若くないのでこういうのにはそれほど魅力は感じないかな。でもこういうものがないと、男性には物足りないかもしれませんね。
鍋物:身延湯葉しずく鍋
これは冒頭の写真にもあるお鍋のアップですが、湯葉に大豆!大豆に大豆!大豆天国というか大豆地獄というか…ん?お寺の近くだから大豆極楽?(笑)
大豆に大豆でこれはどうかと思ったのですが、食べてみたらおいしかったですよ!
洋皿:身延湯葉のグラタン
グラタン?
確かこれは、豆乳のクリームが湯葉で巻かれて春巻きのように揚げられたものでした。
グラタンの定義って何なんだろう…という一品でしたが、おいしかったから、まあいいや(笑)
酢物:白菜白煮 薩摩芋 蛇腹胡瓜の梅肉酢掛け
ちょっとした一皿ですが、なんかこう…写真を見ていて、どれも「あっ、これおいしかった!」となるんです。ホント、ここのお料理はどれもおいしかったなあ。
御飯物:栗稲荷寿司
実はこれだけは、旦那に不評でした。
どう不評なのかというと、おいしくなかったわけではないんです。「こういうのが出るんだったら最初から言ってくれれば良かったのに」だそうで(笑 でも、おしながきにはちゃんと書いてましたけどね)
旦那はいつも、食事の最後に出てくる白米のおかずにと、味が濃いめの料理を少し残しておくのです。でもこれなら必要ないですもんね!
あとは、香の物と留椀、そして
水菓子:葡萄ゼリー 巨砲…と書かれていましたが、
梨も乗ってました。
とまあ、精進料理の夕食はこんな感じ。もう、超満足!
他のお客さんのテーブルに運ばれていた普通のお料理もおいしそうでしたが、この時は精進料理で大正解だったと思っています。普通の旅館で精進料理は、あまり食べる機会がないですもんね。
旦那も「精進料理でも、こんなに満足できるんだねえ…」と驚いていました。
そして私は、これ以来湯葉が大好きになってしまいました!ホント、煩悩が捨てきれないわ(笑)
では、次回は朝食の話です。