田中屋@身延山:お部屋編

「忘れないうちにとにかくアップしちゃおう」シリーズ第5弾、今回は、山梨県は身延山の旅館田中屋です!

こちらの旅館を訪れたのは、たまたまというかなんというか。
あるとき急に身延山久遠寺に行こうと思い立ち、三門至近のこちらの旅館に泊まることにしたのです。

「三門」は「山門」の間違いではないですよ。
この三門は「空」「無相」「無願」の三解脱をあらわしているのだとか。

身延山久遠寺は日蓮宗の総本山だそうで、この三門も、写真ではわかりにくいですが大変立派な門構えです。

この門をくぐって先に行くと、

見ると「ぎゃっ」となりそうな、287段の石段が待ち構えています。これは菩提梯といって、登り切れば涅槃に達するとかなんとか。

ええと、久遠寺の話は長くなるので、また別の機会にということで…とにかく、この三門の近くにあって、そこそこ雰囲気のよさそうな旅館が田中屋だったというわけです。

旅館といっても伊豆や箱根のような場所とは少々違い、身延山を訪れる人のための宿なのでしょう、華美な雰囲気ではありません。
とはいえ古い宿らしい、ちょっと面白いつくりをしています。

私たちが泊まったのは、二間続きのお部屋だったのですが、旅館…というより、どことなく田舎の親戚の家に来たような雰囲気です。

縁側的なスペースもあり、空間は広々として贅沢ですが、眺めの関係上、障子は開けられませんでした(笑)
でもなんだか良い感じ。

それにこのお部屋、入り口がやけにしっかりしていて、まるで昔の民家の玄関みたいなんです。

奥の引き戸の向こうは屋外ではなく、館内の廊下になっています。
さらに、廊下に面した壁にはこんな丸窓も。

この窓の向こうもやはり、館内の廊下なんです。なんだか不思議な造り…。
もしかすると、この宿ができた当初、今屋内になっている廊下には壁がなく、半屋外だったのかも?

もう一つ印象的だったのが、古い宿らしく欄間などの細工が細かいこと。

こういう細やかな組子を見ると、昔のお部屋は凝っているなあ、職人さんはすごいなあ、と感心してしまいます。

こんな組子欄間、今作ってもらうとしたら、いったいどれくらいかかるんでしょうね?

古い和室に宿泊する時には、こういうところを見るのが楽しみです。
とはいえ洗練された都会的な宿ではなく、古さが目立つ部分もあったので、旦那が嫌がるかな?と心配したのですが、逆に旦那はとても面白がっていました。
都会育ちの人にはなおさら、こういう雰囲気が面白いのかもしれませんね。

さて、次はごはんの話に続きます。