お色直し退場・歓談

長い長いスピーチが終わり、ようやく食事が始まった。すると会場係が一斉に登場し、「L」ご自慢の出来たての料理をサーブし始める。
あ〜、やっとだぁ…と思うまもなく、私は介添えさんに席を立たされた。 そして、ついさっき歓談用に変わったばかりのBGMが、おもむろに「プリティ・ウーマン」に変わる。…つまり、花嫁退場…

『うそ〜〜〜っ!』
食べるどころか、食事をろくに見るまもなく席を立たなくちゃいけないなんて…。
それに、今まさに食事が始まったばかり。皆そっちに夢中で、会場係が行き交う中を退場する私のことなんて、知ったこっちゃないって感じ(^_^;)

しかも、この曲は失敗だったなあ…
他の曲は、全部オリジナルで作曲されたもの。でも、花嫁退場の曲だけなかった。なわけで、この曲だけは、私が選曲したものを使っている(「BGM」参照)。
浮いてるよ〜、めいっぱい…
もう、悔しいやら恥ずかしいやらあわただしいやら。ああ、早くこの場を去りたい…(汗)

退場は、母に手を引いてもらって。
母は緊張していたのか、出口の前に来た時、私が体勢を立て直す(あのドレスでは、すぐには振り返れないのよ)前に、一人でお辞儀しちゃったりして…お、お母さん、待ってぇ!
花ムコ殿とは、二人一緒にお辞儀をするようお互い気をつけていたんだけど、これは盲点でした。

そうこうしつつ、ようやく退場して、二人で一息ついた時。
介添えさんが、「お母さん、花嫁さんの手を引くときは、あんなに手を高く上げないで下さい。もっと自然に持っていればよかったんです」だって。

確かに母は、やたらと高く(肩近く)私の手を上げて先導していた。これは、和装だった姉のお色直しのとき、そう指導されたためらしいんだけど。

でもさぁ。それを「退場が終わった今」母に言ってどうする…

終わってから「アナタの先導はヘンでしたよ」と言ったところで、母の中に、「失敗しちゃったんだ」という忌まわしい(大げさか)記憶を残すだけ。やり直し出来るわけでもない。
第一、終わってからそんなことを言うくらいなら、事前に何かしらの指導くらいできたんじゃないの?(「手を上げるな」とは言わないまでも!)

今更注意を受けて、困ったような悲しいような母の顔。
私自身はともかく、両親に嫌な思いをさせることだけは避けたかったのに。ウェルカムパーティーの写真といい、これといい… うーーーっ…!!この介添えさんにはホントにイライラさせられた。

こうして私が一人うなっている間、花ムコ殿は、メインテーブルに集まった友人たちに、お酌をされまくっていました。
下戸の花ムコ殿のために、担当のBさんがテーブルの下にバケツを用意してくれたのは、言うまでもありません…

さて、お色直し。
ドレスは変わらず、アップにしていた髪を下ろし、ブーケも白から青っぽいボールブーケに。メイクもちょっと華やかな色味に直ししてもらう。
普段の私は、仕事の邪魔にならないよう、肩下20cm程度の髪をひっ詰めている。でも今日は、カーラーで巻いた髪を下ろして、義弟曰く「キャンディキャンディ」のような髪型に。…うひゃあ、なんだか恥ずかしい…(*^_^*)
グローブも短めのレースにチェンジ、さらに、お義母さんが作ってくれた、ブーケとおそろいの髪飾りとバックリボンをつけて…同じドレスでも、これだけで結構印象が変わるものです。

大慌てでお色直しを済ませると、会場の前には花ムコ殿が待っていた。そして、これまた大慌てで、まだ人のいないお庭でお色直し後の写真撮影。
(またしても例のカメラマンがうるさかった…)
それが終わるや否や、キャプテンが、私達二人を会場入り口のドアへ誘導する。

さあ、いよいよお色直し入場…
…?でも、なんか予定と違うような? …あれ、お色直し入場って、ドアじゃなくて、ガーデンに面したテラスからじゃないの?同じ場所からじゃあ、つまらないからって、Bさんと相談したんだもの!

しかし、それに気づいたときは、もうあたりに入場曲が響いていたのでした…。