一人でかき鍋クルーズ!@塩釜~松島(後編)

一人でかき鍋クルーズ!@塩釜~松島(前編)の続きです。

かきフライと鍋で盛り上がる乗客を乗せ、船は静かに塩釜港を出港しました。
かき鍋クルーズでデフォルトで出てくるのは、かき鍋、かきフライ、かき酢、お新香、ご飯、果物(みかん)。ご飯以外はあらかじめ席にセッティングされていて、鍋の途中でご飯が出てきます。ご飯は食べ放題なので、白米として食べてもいいし、鍋の後に入れておじやにしてもいいそう。そのほかお酒や飲み物は追加で注文します。

で、前編でも登場したかきフライですが。

前にこちら(仙台のオイスターバーの話)でも書きましたが、私は普段、かきフライはほとんど食べません。特に嫌いではありませんが、特段好きでもない、というか。苦みがあるのは良いとして、ちょっと生臭く感じることが多い気がするんですよね。あとは年齢的に、揚げ物は好んで食べませんし。

でもねーーー、
このかきフライ、めっちゃくちゃおいしかったんですよ!

こういう食事の場合、かきフライはボリュームを出すための若い人向けの(要は油っぽい)一皿なんだろうなあ、と勝手に思っていたのですが、全然そうじゃないんです。
衣が薄くサクッと揚がっていて、中のカキはほくほくプリプリ!で、全く苦くも生臭くもない。非常にミルキー。
えええー、これ、私が知っているかきフライと違う!すんごいおいしい!かきフライってこんなにおいしいものなの!?
一口食べたとき、多分私の目は驚きと感動でまん丸になっていたと思います…席が最前列でよかった(人に見られないので 笑)
かき小屋でかきを食べたときも同じように驚きましたから、鮮度が良いおかげなんですかねえ… しかも、冷めてもべちょっとならないんです。いやー、かきフライのイメージが変わったわ~

で、小鉢で出てきたかき酢も、意外なほどおいしかったです。

小さめのカキですが、味が凝縮されたような感じ。甘味噌の味もあっています。これはお酒を飲む人によさそう。といいつつ、飲まない私もおいしくいただきましたけど(笑)

なんだ、かきフライとかき酢は鍋のついでと思っていたのに、こういうのも十分おいしいじゃないの!かき自体がおいしいからなんだろうなあ。

とかなんとか、サイドディッシュを楽しんでいるうちに、気がついたら肝心のかき鍋が沸騰し、ヤカンのように蒸気を噴出していました!他のテーブルの鍋はまだまだのようでしたが、お鍋が小さい一人客(私)の場合、出来上がりも早いようで…

味噌仕立てなので、ごぼごぼ吹いたことで味噌のつぶつぶが飛び散って、見た目はちょっと残念な感じ。でもこれも、さすがにおいしかったなあ。

どこかに土手鍋と紹介されていたのですが、土手鍋(鍋に味噌を塗りつけたもの)ではなかったような。しかも、味はむしろあっさり目。お鍋はしょうゆのほうが好きな私には、ちょうどいい塩梅です。

鍋の具材は、かきが9個に、しいたけ、かまぼこ、しらたき、春菊、白菜、ねぎ、えのき、お豆腐。あとは好みで最後にご飯を入れておじやにします。一人鍋だともっと寂しい感じかなと思っていましたが、なかなかのボリュームです!

かき小屋は蒸し焼きのカキをそれこそたらふく食べられますが、かき鍋クルーズは色々な味で楽しめるのが良いですね!いやー、今回もかきを堪能できたなあ…

しかし、毎度思いますが、カキをおいしそうに写すのは難しい(苦笑)
あ、そうそう、このクルーズは基本的に遊覧コースですから、前回と同じように、見どころで音声ガイドが入るんです。
でも、鍋をつつきながら歓談する皆様の声に、その音声はかき消され(笑) もう、完全に単なる移動鍋の会です(笑)
ただし、このクルーズを利用した人は、帰りの遊覧船(食事はないです)に無料で乗れるんです!だから行きは思う存分食べて、帰りにゆっくり見どころを見る、ということもできるようですよ。
それに、通り過ぎていく風景をちょっと楽しむという程度のゆるさも、まあそれはそれで悪くないかなあ(笑)

今回意外な面白さを発揮していたのは、お土産屋さんのおばちゃんでした。
この方、しゃべりが異常に上手で、出港時から綾小路みまろばりのトークで船内を沸かせていたのですが、途中からは音声テープを止めて見どころの生紹介までしていました(笑)。
まあ、多分はじめからその予定だったのでしょうけれど、芸達者な人で面白かったですよ!
おばちゃんが生で紹介しているときは、皆、話を聞いていました。で、お客のおばさま方も、要所要所、まるでテレビの効果音のようにどっと笑う。もはや「鍋つきトークショー」状態(笑)。

そんな感じで、本当にあっという間の1時間の船旅でした。

ちなみにこのかき鍋クルーズ、ネット予約すると3,260円なのですが、同じコースを普通に遊覧すると片道1,500円かかります。ということは、もし往復すれば3,000円。かき鍋クルーズは往復しても3,260円なので、最初から往復するつもりならかなりお得といえなくもありません。
まあ、見どころをちゃんと見ながら遊覧すれば、往復する必要もないんですけどね!

あ、肝心の、「一人鍋クルーズ」の感想ですが、私の場合、搭乗前は少々気後れしたものの、いざ乗ってみると一人であることは全く気になりませんでしたよ!席を上手に配列してくれたおかげかもしれませんし、食べたり見たりで、そんなことを気にするほど暇じゃなかったですし(笑)

「ボッチめし」なんて言葉が気になる10代の子にはお勧めしませんが、普段から一人で食事ができる人なら十分楽しめるんじゃないかな、と思います。

2015/2016年のシーズンは、残りの営業は3月11~13日の三日間で終了します。興味のある方は急いでくださいね!