沖縄・26:沖縄の古民家・中村家(前編)


写真正面の建物は家畜小屋兼納屋。家畜小屋も瓦葺なのか!

琉球村でおばあと親しんだ(というか、かまってもらった)あとは、一気に南下して、中城村(なかぐすくそん)へやってきました。

で、私としては、勝連城跡や中城城跡などのグスクを見たかったのですが、旦那は「グスクは飽きたから、もういい」というのです!
え~っ?せっかくなのに…。

とはいえ、勝連城などは石段が長く、歩くのが大変なんですよね。足を負傷中ということもあり、グスクはあきらめ他の観光スポットを探すことにしました。
(ちなみに勝連城は、翌朝の地震で石垣の一部が崩落してしまいました!あーあ、旦那が見に行かないって言ったからだよ…??)

そこでやってきたのが中村家です。

るるぶには地図に「中村家住宅」と書かれているだけなのですが、レンタカー屋でもらったパンフレットには写真付きで紹介されていました。琉球村とは違い実際の民家がそのまま保存されているとかで、旦那は石垣よりもこちらに興味を持ったようなのです。

というわけで、それがどういう場所なのかよくわからないまま、中城城跡に程近いこの古民家へやってきました。

古民家といっても一般庶民の家ではなく、18世紀ごろに立てられた地頭職(本土でいう庄屋)の家だったとか。家を守る石垣もとても立派です。(中村家の先祖は、中城城藩主の護佐丸の師匠とかで、由緒ある家系のようですよ)

受付でもらったパンフレットによると、
戦前の沖縄の住居建築の特色をすべて兼ね備えている建物です。沖縄本島でこのように屋敷構えがそっくり残っている例は極めても珍しく、当時の上層農家の生活を知る上にも貴重な遺構であるということで(以下略)」、
国の重要文化財になっているそうで。実際、派手ではありませんが、なかなか立派な建物なんですよ!

屋根の赤瓦は非常に沖縄チック。堂々としたたたずまいです。

そうそう、目次のページの赤瓦とシーサーは中村家のものです。

こういう瓦屋根は、沖縄をドライブしていても実際にはほとんど見かけないんですよね。古い民家の大部分は、戦火で焼失してしまったということなのでしょう。
んー。このことに触れると長くなるのでここではやめておきますが、とにかくこういう現存する民家は非常に貴重なのです。

敷地内にはウフヤ(母屋)、アシャギ(離れ座敷)、メーヌヤ(家畜小屋)などがありますが、特徴的なのは高倉(籾蔵)です。
上の写真右手前、頭でっかちに上が広がった建物が高倉ですが、この形はネズミが侵入できないように作られたネズミ返しなのだそうです。壁、床が板貼りになっているのは、沖縄でもめずらしいようですよ。

台所、豚小屋、家畜小屋などが隣接するスペースには、井戸がありました。
上の写真は建物の陰から見た様子ですが、どこか西洋風にも見えますね。

井戸の滑車は細工も洒落ていて素敵です。

建物の外では、地元沖縄の人たちと思われるオジサンたちが、建物の作りを見ながらあれこれ談笑していました。どうも彼らにとってはとても懐かしい建築様式のようです。
パンフレットの「戦前の沖縄の住居建築の特色をすべて兼ね備えている」という説明の通りなのでしょうね。

では、中はどんな具合になっているのでしょう?建物内部の様子は次回に続きます!

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