↑台所に隣接した部屋で。本来は板の間のようですが、畳敷きになっていました。
壁にかかった時計など、とても懐かしい雰囲気です。
さて、中村家(前編)からの続きです。
中村家の建築は、外から見ると沖縄独特の雰囲気を感じますが、中に入ると、和風にも感じられる(というか、違いがよくわからん!)作りなのです。
鎌倉、室町時代の建築様式の影響を受けているそうですが、私には詳しいことはよくわかりません。が、直感的に「懐かしい」気持ちになります。
板敷きの長い廊下は、本土の古い民家のよう。祖父母の家を思い出します。
下の写真は一つの大きな部屋に見えますが、ウフヤ(母屋)の二番座と一番座の、二つの部屋です。
部屋を襖で小さく仕切り、必要な時は襖を取り払って大きな一間にするのは、古い民家ではよくある使い方ですよね。でも中村家の場合、昔の農家は畳の間は六畳以下に制限されていたという事情もあったようです。本土でもそうだったのかな?
室内の雰囲気は和風っぽくても、外に見える、家を取り囲む石垣は、やっぱり本土とは違う沖縄風。
下の写真はアシャギ(離れ)からの眺め。左手に見えるのはウフヤ(母屋)です。
アシャギは、首里から巡視にくるお役人が宿泊所に使っていた部屋なのだそうですが、離れといっても母屋と廊下で繋がっています。
ウフヤからアシャギを見ると、下の写真のような具合です。
アシャギの南側は広い縁側のようになっています(下の写真)。
縁側、というか、実は中村家には決まった玄関がないんです!
ですので、お役人も家の人も、このようなスペースから家の中に入ったんでしょうね。
私の祖父母の家では、近所の人たちは玄関ではなく縁側にやってきて、そこに腰をかけて会話する(あるいはそこから入る)という不思議な習慣がありました。玄関は「家の顔」としての象徴的なもので、縁側越しの交流はもっと親密な関係を現わしていたのではないかと思います。
沖縄の民家も、そういうあけっぴろげな感覚で作られていたのかもしれませんね… いえ、私の想像ですので、実際のところはわかりませんよ!
この民家で一番気になったもの↓
シーサーが逆立ちしてる!
鯱鉾のような姿勢ですが、これにはどういう由来があるんでしょう…
やはり昔は阿吽で対になって逆立ちしていたのかなあ??
そうそう、中村家は受付兼休憩所兼おみやげ屋さんがあるのですが、そこのおばさんたちがとても感じがよく、私たちも気持ちよく過ごさせてもらいました。
お茶と一緒に出してもらった黒糖ゼリーがおいしかったですよ~!