パリ旅行・6:パリで最初に食べたもの

さて、ホテルでチェックインをすませて少し休憩した後、さっそく食事がてらホテル周辺を散策してみることにした。

私たちの泊まったホテルは、有名なカフェ2軒がすぐ目の前にあり、さらにホテルの一階はオイスターバー(バーといってもレストランだけど)になっている。でもこれらのお店は最後の手段に取っておいて、どこか周辺のビストロにでも入ろうということになった。

とはいっても、実はあまりお腹が減っていない。
大韓航空で機内食をバッチリ食べ、しかも日本時間ではもう深夜(というか明け方)とあって、そんなに食欲もない。どこかで軽くつまむ程度でいいかな、と歩き始めた。

何かあてがあるわけでもなく、どこか目についたところで食べよう、という程度の算段だったのだけれど、これがちょっと甘かったのかなあ?

時間はおそらく8時半頃。パリのビストロやレストランは、これから人が入り始めるという時間帯だ。すでにどの店も、道にせり出した席(あれはテラス席というんだろうか…道そのものなんだけど)は人であふれて、さらにどんどんお客が入っていく。何の目星も付けないまま適当に歩いている間に、よさそうと思ったお店から席が埋まっていく。

ああ~、このお店も、あのお店もいっぱいになっちゃった…

さほど食べたくなかったはずなのに、こうなってくると逆に、なんとかいいお店を探しだしたいという気持になってくる。そのくせ前記のとおりあてもないし、外から見てもいいのかどうかなんて、わかりゃしない(笑)

そこで「せっかくだから、ムール貝を食べようか」と旦那。
ちょうどその付近に、Léon de Bruxelles(レオン・ドゥ・ブリュッセル) というムール貝のお店があった。パリに数店舗あるお店で、旦那も以前一人で入ったことがあるという。

ああ、貝なら脂っぽくもないし、ちょうどいいかも…。

ということで、パリで初めて入るレストランは、お鍋いっぱいのムール貝という、日本じゃちょっと考えられないような料理を出すお店になった。

パリでムール貝の専門店なんていうと、こじゃれたレストランやビストロを思い浮かべるかもしれない。でもここはそういう雰囲気ではなくて、もっとこう…実はもう細かいことは覚えていないのだけれど、チェーン店っぽい感じのお店。

まあそれでも、初めてのパリの夜を楽しもうということで、ムール貝と、チーズのコロッケ(なぜか)と、グラスビールを二つ頼んだ。

で、出てきたムール貝はこんな感じ。

ほんとに鍋いっぱいのムール貝(笑)

味のほうはといえば…やっぱりムール貝(笑)
疲れていたせいもあったのだと思うけれど、すごくおいしいとか珍しいとかそういうことはなく、ただすごい量のムール貝が出てきちゃったな~という感じだった。といっても貝殻が大きいので、見た目が大量に見えても、二人で食べると難なく完食してしまう。

もう一つ、ためしに頼んでみたコロッケがこちら。メニューの名前は忘れたけれど、チーズのコロッケ。

食べてみたら、本当にもう、超チーズで(笑)
チーズのコロッケというか、チーズそのもの?というくらいのチーズ度(なにそれ)

私はおいしく食べたけれど、濃いチーズがちょっと苦手な旦那は、一口食べた後手をつけなかった。(といっても、それほど特色があるわけでもなく、なんとなく居酒屋で出てきそうな一品だったんだけどね)

これだけを食べて、この日の夜食はおしまい。お腹は減っていなかったので、量としてはこれで十分だった。

でも、チェックをしてもらう時にちょっと驚いた。
たったこれだけで、約30ユーロ… 円高だったにもかかわらず、この時のレートで4000円を上回った。

た、高っ!

普通の夕食の量じゃないのに、チェーン店なのに、それでそんなにかかっちゃうんだ~!
ああ、パリってホント、物価が高いんだ…

円とユーロのバランスもあるとはいえ、パリのサラリーマン(パリでもそういうのかなあ)の平均年収は東京よりはるかに安いと聞く。ということは、パリの人にとってもこのお値段は安くはないと思うんだけど…

でもまあ、お店にもよるよね…と思いつつ、なんとなく納得がいかないまま、私たちはパリで初めての食事を終えた。

…このあと、事あるごとに「高っ!」といいつつ過ごすことになるとは、この時私はまだ気が付いていなかった。

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