パリ旅行・5:ホテル・ラスパイユ・モンパルナス(パリのホテル事情)

私たちが今回泊まったのは、ホテル・ラスパイユ・モンパルナス(Hotel Raspail Montparnasse)。一応三ツ星ホテルということになっているんだけど。

ホテルを決める際旦那に言われたのは、「パリのホテルは高いところでもすごく狭いから、そういうことは期待しないように」ということ。

私が海外のホテルと聞いて連想するのは、よく行く香港のホテルなのだけれど、香港ではあまり安い宿は使わないようにしている。というのも、以前スタンダードクラスのホテルに滞在中、中国人客にドアを無理やり開けられそうになり怖い目にあったことがあるからだ。

(その人はどうやら自分の部屋だと勘違いしたらしいんだけど、普通ならドアが開かなければ気づきそうなものなのに、ずーーーっとドアノブをガチャガチャ、ガンガン引っ張りまくられて怖かった…。香港ではスタンダードクラスのホテルに中国人観光客が増え、トラブルも多いらしい)

というわけで、香港ではスーペリアクラス以上を使うのだけど、そのクラスになると、部屋は比較的広いし設備も整っている。旦那はそれを知っているので、釘をさすために前記のようなことを言ってきたわけだ。

でも、たとえ狭くても「パリのホテル」だったらきっと素敵なんだろう、と私は勝手に思っていた。今回の宿泊先も、ホームページで見た限り、室内はおしゃれな感じだし…

まあ実際、今思えば悪いホテルではなかったと思う。パリにしては珍しくエアコン完備だし、バスタブもあるし、フロントの人は英語でOKだったし、朝食を準備してくれるおばさんは、言葉はわからなくても気持ちのいい人だった。

ただし。
やっぱり、想像以上に狭かったのよね。

私がこれまで泊まった中で最も狭いホテルは、日本では、昔名古屋にあったチサンホテル。ビジネスホテルだから狭いのは当然だけど、ドアを開けたらベッドにつっかえたというのはすごい(笑)
海外では、ニューヨークのブロードウェイ近くのホテル(名前忘れた)。ここは旦那と泊まったのだけど、ダブルベットで部屋の8割が占められていた(ベッドの周りにかろうじて歩くところがあるという感じ 笑)。でも宿泊費はかなり高かった!

今回のホテルはさすがにそこまでは狭くないけれど、スーツケースを二つ広げるのには工夫が必要、という広さ。
で、内装も特に…こう、「パリらしい」「オシャレ」という感じもなく。なんだか味気ない、フツーの部屋だった。

これが、パリの三ツ星ホテルなのか…。

いつもなら、部屋に入るとまず室内の写真を撮るのだけれど、今回は…どうも、そういう気にならなかった。…というか、写真を撮るときには、部屋を見渡せるいいアングルを探して後ろに下がるでしょ?でもこの部屋、下がる余地がなかったんだもん(笑)。

それでも、後でわかったのだけど、私たちが泊まった部屋は、その階の中で一番広いようだった。ということは、他の部屋はあれより狭いんだなあ…

さらにビックリするのがエレベーターの狭さ
個人宅のエレベーター?ってくらい小さい。人が3人乗れば満員だ。しかも、その狭さを感じさせないために鏡張りになっているのが余計悪い。日本人の感覚ではそんなに奥行きがないとは思わないので、つい奥に行こうとして、鏡に激突しそうになってしまう。

ひゃーっ、パリのホテルって、本当にこじんまりしてるんだなあ…。

今回は値段と立地を重視したので、そういう意味ではこのホテルに満足しているけれど、いわゆる「素敵なホテルライフ」を楽しみたいなら、パリではそれなりの金額を払ってホテルを選ばないと、ってことのようで。

これ、円安の時に来たら辛いだろうなあ…

このホテルでよかったのが、窓からの眺め。
まあパリならどこでもそうだと思うけれど、窓から見える建物がいかにもパリで、毎朝外の様子を眺めるのが楽しみだった。

早朝、まだ薄暗いころに起きると、人も車もまだ少ない通りを、お掃除の車がゆっくり走っていたりする。
やがて日が昇ると、向かいの建物が徐々にオレンジ色に染められていく。そんな中、時々は窓があいて、誰かが姿を見せていたり。

この小さな宿は、「ホテル」ではなく「パリ」に滞在しているという気分を味わうには、むしろちょうどよかったのかもしれない。
まあそれも、今思えば、の話なんだけど。

★パリ旅行記目次

追記:
これは2009年のハナシですが、その後、だいぶ状況が変わっていることと思います。このあとヨーロッパが猛暑に襲われたり、治安が悪化したりと、いろいろありました。セキュリティーとエアコンの有無はチェックしてくださいね!