パリ旅行・14:ルーブル美術館に行ってみたんだけどね(後編)

えーと、行ってから半年、前編を書いてから2カ月もたってしまって、さらにいろんなことを忘れてしましたが!とりあえず覚えていることを覚えているうちに書きますっ!

上の絵は、言うまでもなく「モナリザ」だけど…この謎のアングルは何かって?まあ、この先を読めばわかりますわ。ええ。

建物の外観で既にお腹いっぱいといいつつ、とにかくガラスのピラミッドから館内へ。

敷地が広いので、外から見たときにはそれほど人がいるように見えなかったものの、いざ行ってみると入口は結構な混雑ぶりで、チケット売り場は大行列!
が、そこで役に立つのが空港で入手したミュージアム・パス(カルト・ミュゼ)。これがあれば、有効期限内はパリの美術館にフリーパスで入れるという便利モノ!パリで美術館巡りをする人はきっと重宝するのでは。

ということで、パスのおかげで、まずはすんなりと入館。
ところが、何の事前調査もしていなかった私は館内案内を見てビックリしてしまった。
この美術館は、もう、めちゃめちゃ広い!のだ。
まあ、建物を見てもわかるのだけど…。↓こっち側も、中庭を挟んだあっち側も、ルーブルなんだもの…。

事前に調べておかなければ、見たいものがどこにあるのかわからない。かといって、順路にそって歩いて、そこにあるものを全部見ていったら、きっと一週間あったって足りない。
ああ~、噂には聞いていたけど想像以上だ…。

しかも旦那が美術館に興味がないので、今回の美術館巡りは私へのサービスのようなもの。一応行くかわり滞在時間が制限(笑)されているのよねぇ。

ん~。…とにかく、「これだけは」的なものを見ておくとするか…。

が、しかし、それもなかなか簡単ではない。
館内にはたっくさんの美術品がところせましと並んでいるものの、館内全体は、実はそれほど混雑していない。でも、有名な作品の前は…

こんな具合↓

このバックシャンは、かの有名なミロのビーナス。さすが有名人(?)だけあって、彼女の前は常に人山の黒だかり、じゃなくて、黒山の人だかり。しかも、誰もが彫像の前で記念撮影をするので、最前列は押し合い圧し合いの大混雑!このごちゃごちゃ感は、「美術館」っていうイメージと違うなあ…
(ルーブルは、美術品も写真撮影可。ただしフラッシュは禁止)

私は最初、この混雑にあっけにとられて遠巻きに見ていたけれど、旦那が私の写真を撮ろうと、彫像のそばに行くよう私に促すので、しぶしぶと近くへ行ってみる。そこでしばらく並び、ようやく最前列に来て、前の人の撮影が終わるのを待った。

するとそこで、なんと、中国人(中国語を話す人たち)が強引に、しかも次々と私の前に割り込んできて、私はいつまでたっても前に行けないという状態に!
ち、ちょっとちょっと、何なの、あんたら!なんでパリまで来て中国人に割り込みされるはめに…(汗)

でも、ここで意外な体験をすることになった。
業を煮やした旦那が「君ももっと強引に入らなくちゃだめだよ」と言いつつ、私の前に割り込んできてポーズをとる若い中国人(らしき)女性の前に、私をグイッと押し出した。

すると、彼女はどうしたか。
なんと、私の顔を見て、照れ臭そうにニコッと笑った…。

その笑顔から私が感じたニュアンスは、「お互い、写真を撮られるのって、恥ずかしいわよね」とでもいうような。
つまり彼女(達)は、自分が割り込んだことを全く悪びれていないし、私が彼女の前に立ったことも、全然意に介していないというわけ。

こ、これが中国人ルールなのか…。(そもそも「並ぶ」「順番を待つ」という習慣がなさそう)

ちなみに、平気で割り込みするのはフランス人も同じだとか(と、旦那はパリ在住の日本人スタッフに言われたそうな)。
では、パリジャンに割り込まれたらどうするか。その時は「日本語でも何でもいいのでとにかく文句を言うように」とのこと。そうすると「おや失礼」なんて感じで引っ込むのだそう。

まあ、中国人とフランス人の割り込み考察はさておき。
有名な作品の前はこんな具合の混雑ぶり。
冒頭のモナリザが端に寄っているのは、この絵の前にはミロのビーナスの前以上にたくさんの人が集まっていて、全然近寄れなかったから、というわけ。

(ミロのビーナスは大きいので遠くからでも見えるものの、モナリザは見えない!写真だけでも撮ろうかと思い、遠くから人を避けてとった結果、あのようなアングルでしか撮れなかった…)

今回の教訓。
ルーブルでちゃんと作品を鑑賞しようと思ったら、時間をしっかり取って、人の少ない時間帯に行くべし!

この局所的な混雑と中国人ルールにも驚いたけれど、もうひとつこの美術館で驚いたのは、建物の中(内装)もすごいこと…

建物全部ではないけれど、こーんな部屋↑もあったりする。(作品は下のケースの中
もともと宮殿だったのだから当然と言えば当然なのかもしれないけれど、外観でも内装でも、作品も見ずにお腹いっぱい(笑 というか、この内装自体も作品のようなものなんでしょう)

まあとにかく、めちゃくちゃ広い館内を、いくつかの「これは見たい」という作品を探して歩き回ったわけだけど、中には見つからないものもあった。で、実はその作品が上野の「ルーブル展」に出展されていたことを帰国後に知ってガクッとしたり(苦笑)

でも、そうやって歩きながら、昔から知っている美術品の「本物」を目にすると、なかなか感慨深いものがある。
たとえばサモトラケのニケ↓とか。これは結構うれしかったなあ。

もちろん、それまで全然知らなかったけれど気に入ったという作品もある。
下のおじさんの肖像↓や、他にも何点かの作品は、妙に気にいって写真を撮ってみた。

それにしても。

私がイメージしていた「パリの美術館」は、静かで、選び抜かれた作品が恭しく飾られていて…といった「大人の空間」だったけれど、実際には全然違って(笑)、もっとこう、にぎやかで、作品がわんさか展示されていて、見る人も好き勝手に見ていて… 一言で言うと、もったいぶっていない
大きな(かつ著名な)作品のある部屋には、真ん中に大きなソファが置いてあり、そこに座ったまま鑑賞できるようになっていたりもする。実際、まるで駅の待合所のようにたくさんの人がそこに座って、好きな作品を眺めていたりするわけ。
美術館が「特別な空間」ではない感じ。おすましてくるような場所じゃないのね、きっと。
作品をゆっくり見る時間はなかったとはいえ、少しの間行って見るだけでも、それなりに楽しめた(気がする)。

今度パリに行く機会があったら、ルーブルの近くに宿をとって、夜の空いている時間に通って、ゆっくり全体を見ていきたいなあ。…まあ、旦那が嫌がるだろうけど(笑)
※水・金曜は21:45まで開館。ほかの曜日は18:00まで。(火曜は休館)

そうそう、学校の授業の一環なのか、先生に連れられた地元の子どもたちが、絵の前で解説を聞いている様子もあちこちで見かけた。
小学生くらいの子どもたちが皆で床に座り込んで、先生の話に一生懸命耳を傾けている姿はかわいらしい。
とはいえ、たとえルーブルといえど、芸術の都パリといえど、ちょっと成長したティーンエイジャーにとっては、この手の校外授業(?)は退屈なもののようで、中にはサボってダラダラしている少年少女↓もいたりする。

この連中、階段に座り込んで、思い切り通行の妨げになっているのよね。私たちが彼らをかき分け階段を下りたときも、邪魔になっているのがわかるだろうに、平気な顔。係員?先生?のおじさんに怒られても知らん顔。うーん、日本でもフランスでも、こういう連中は変わらんなあ…。

最後におまけ。入口付近にあった表示↓。
さすがおフランス、こんなところにもエスプリを感じさせてくれるなあ(笑)

★パリ旅行記目次