香港・32：いまさらですがスターフェリー（天星小輪）

こちらでもすでに触れましたし、今更なのですが、スターフェリーの話です。
（写真は尖沙咀側の様子です）

長洲島からのフェリーで香港島に戻ると、離島フェリーのピアと同じ並びに、2006年に移転したスターフェリーのピアもあります。

この日はこれから尖沙咀に向かうので、わざわざ地下鉄に乗り換えるより、スターフェリー乗り場の方が近いし、運賃がずっとお得。
まあ時間的にはあまりお得でもないかもしれませんが、移転してからちょっと使いにくくなったスターフェリー、こんなときにでも乗っておかないと、滞在中一度も乗らずに終わってしまうこともあるのです。気分的に、やはり香港に来たら一度は乗っておきたいですからね。

スターフェリーは1888年に運航を開始したという歴史の古い交通機関だそうです。現在の船体になったのがいつなのかはわかりませんが、船内は結構な年季が入っています。窓枠や椅子などがレトロで良い味を出しているんですよ！

特徴的なのは船体の形。ビクトリア・ハーバーをひっきりなしに往復しているせいか、船の前方も後方も同じ形をしていて、どちらが前になってもいいようにできています。これで出発や到着時に方向転換する必要がなくなるというわけ。前方も後方もすぼまった形は、上から見るとビクトリア・ハーバーを漂う木の葉のようです。

まあ、歴史とか形とかいろいろありますが、何より私は、スターフェリーの「のほほん」とした雰囲気が好き。
ほんの10分程度の短い船旅ですが、観光客や、あまり先を急がない（だろう）人たちが利用するこの船の中だけは、街中がセカセカとおいたてられているような香港の中で、つかのまのんびり気分を味わえるのです。

写真は尖沙咀の西側の眺めです。エアポートエキスプレスの九龍駅付近に、局所的にビルが集まっているあたりの様子。この日のお天気もあってか、本当に「のほほん」とした眺めで、見ていると気が抜けてしまいそうでした（笑）

香港らしい景色を楽しむなら、この方向ではなく、尖沙咀から香港島へ渡る方がお勧め。高層ビル群やビクトリアピークを眺めながら遊覧気分が味わえます。

それにしても、ごく短い距離とはいえ、船で海を渡るのに、上層階（2階。1階より運賃が少し高い）でも2.2元、日本円で30円もしないんですからすごいですよね。

香港は、一般庶民の生活に必要なものは本当に安い。以前会った香港人のガイドさん（日本に住んでいたことがあるそうです）が、「香港は、お金持ちもそうでない人も、それぞれに生活しやすいようになっているんです」と言っていましたが、日本もそうあってほしいものです。

★香港2010年旅行記　目次