沖縄・28:青い海と石油施設

中村家でのんびりした後は、次の目的地へ向かってさらに南下します。
その途中、中城城のあたりで、こんな光景を目にしました。

何か大きな施設を工事中のようです。石油精製所??
円筒形のタンクらしきもの他に、海に向かって橋脚のようなものを作っているようです。

これを見て、なぜか大変なものを見たような気持ちになってしまいました。
で、その気持ちがどこから来るのかが一瞬分からず、自問自答。
おそらくは、青い海にこういう施設が作られている様は、東京湾の黒い海(苦笑)を見慣れた目には非常に痛々しく感じられたのでしょう。

この工事中のエリアから南に目を移すと、街と、工業施設(?)らしきものが遠くに見えていました。

沖縄はこういう海に囲まれているわけですから、海沿いに何らかの施設を建設するためには、この青い海を埋め立てるしかないんですよね…

「青い海にこういう施設は似合わない」という感覚は、地元の人たちはともかく、本土から来たよそ者の私の場合、ある種の感傷であり、偽善でもあるのでしょう。というのも、本土でもそのほかの地方でも、海沿いにこのような施設がある場所は日本全国にいくらでもあるわけで。
じゃあ他の地域は破壊されてもいいのか?東京湾の黒い海はあのままでいいのか?沖縄の海が「青い」から沖縄だけダメなのか?
…なにかこう、自分の中で自然にわきあがった気持ちのやり場に困ってしまいました。

この感覚は、普天間や辺野古の基地問題にも言えることです。

辺野古への米軍海兵隊の基地移転は、そもそも普天間基地が住宅地に隣接して危険だということから検討されたわけですが、たとえば、在日米軍司令部があり普天間よりも長い滑走路を持つ横田基地(リンク先はランチの話ですが!)は、郊外とはいえ東京の街中。当然住宅地が隣接しています。

もちろん、米軍基地が集中する沖縄の状況を東京や他の地域とは比べられませんし、これまで本土の何倍も苦しんできた沖縄の人たちには、国民の一人として申し訳ないと思います。
が、その一方で、沖縄県外から大勢訪れる基地反対派の方々は、なぜ(多分)沖縄より近い横田の前でも、もっと反対運動をしないのかな、とも思ったり。(それとも私が知らないだけで、沖縄のように大々的な反対運動をしているんでしょうか?)

辺野古の町といい、沖縄の状況を見ておきたいと思ってやって来た一方で、見たことでさらに気持ちが混乱していくような…。

余談ですが、この石油施設が何なのかを調べようとした際、他の方のブログに転載されていた産経新聞の記事を見つけました。
この施設についてはわかりませんでしたが、先に見に行った嘉手納基地の話も含め、沖縄の危うい状況について記されています。今年はこれよりも深刻な「事件」もありましたよね…

うーーん。

こうしてますます気持ちが混乱していくわけですが。
なんだかまとまらない話でスミマセン…

ただ、沖縄をリゾートとしてだけ見るのではなく、日本全体の問題を押しつけている側面があることは、日本人の誰もが心にとめておかなければ、と思います。

◆沖縄旅行記2010:目次◆