パリ旅行・11:絶対に覚えておきたいフランス語!

カフェ・ドゥ・マゴの続き。

サン・ジェルマン・デ・プレ教会を出た後カフェによったのには、単なる休憩以外に理由があった。
それは、

休憩がてら、お手洗いも済ませておきたかったのよね。(スミマセン…)

パリの有料公衆トイレは全自動できれいらしいけど、あれはちょっと…。というのも
「あのトイレは自動で個室全体を洗浄しちゃうんだ。中に人が入ったまま洗浄が始まって大変な事故になったことがあるんだよ」
と、本当か冗談かわからない話を旦那に聞かされたためだ。
そ、そんなトイレを使うほどチャレンジャーじゃないし…

パリのカフェは、一度席に着けばいつまでいても大丈夫だし、トイレを借りるのも問題ない。それで、とりあえずカフェに入ったわけ。カフェ・ドゥ・マゴの皆さん、そんな理由でごめんなさいね(苦笑)

で、だ。
席を立った私は、ギャルソンを捕まえ、がんばってフランス語を使ってみた。この言葉だけは絶対に必要だと思って覚えてきた言葉だ。

私 「Excusez-moi, Monsieur.(すみません)」
ギャルソン 「 Mademoiselle.(なんでしょう、お嬢さん)」 ← そう言った
私 「Où sont les toilettes?(お手洗いはどこですか?)

そう、お手洗いはどこですか?というフレーズだけは、挨拶の次に覚えなければ、と思っていたわけ。

これは、もう十年以上前、カリフォルニアの田舎町で知り合ったアメリカ人女性に言われて、なるほどと思った話なんだけど。

その女性、バーバラさんは、加賀まりこを金髪にしたような、ちょっとゴージャスな人で、若い恋人が日本人だといっていた。で、『私が知っている唯一の日本語は、これなの』とか言いながら、突然、びっくりするほど流暢な日本語で「お手洗い、どこですか?」と言った。
そこだけ聞いたら日本語がぺらぺらなんだろうと思うくらい完璧(笑)

彼女が言うには、彼が「日本に行った時に絶対必要だから」と教え込んだらしい。ああ、それはそうかも…と、その時、妙に納得したのだ。

この言葉は、ひょっとすると非常に切迫した状態で使わなければならないわけで、本なんて見ていられないかもしれない。そんなときに言葉が通じなかったら…うわ、そりゃつらいよね(汗)

ということで、バーバラさんの教えに倣って(?)フランスに来る前にこれだけは覚えた。

でも問題なのは、フランス語で話しかけると返事もフランス語で返ってくるということ(笑 まあ、このカフェのお手洗い探しは、ギャルソンの身振りもあったので意味がわかったけど)。

とはいっても、緊急事態なら、トイレを探しているということさえ相手に伝われば、なんとか意思の疎通ができるだろうと思うし、きっとどこかで役に立つと思う。
他の言葉は…、もともとフランス語ができる人ならともかく、私のような突然の旅行の場合、一通りの挨拶やお礼以外は、使わなくてもそんなに困らないのではないかと。(使えるに越したことはないけど)

実際私が、この旅で使ったフランス語は、挨拶・お礼以外にはごくわずか。

  • Je voudrais prendre ceci, s’il vous plait. (これをお願いします)
  • C’est Combien?(これはいくらですか?)
  • Comme entrée, je prends ceci.(前菜はこれにします)(以下同じパターンでオーダー)
  • L’addition s’il vous plait?(お会計をお願いします)
  • Je ne comprends pas le français.(フランス語がわかりません)

こんなもん(笑)

使いそうだと思ったフランス語を手帳にまとめて携帯していたけれど、なまじっかフランス語で話せば(たとえ下手でも)、フランス語で返事が返ってくる。当たり前のことなんだけど、これには困った。相手が返してくるフランス語なんて、私にわかるわけがない(笑)。だから結局、挨拶の言葉のあとは英語にしてしまった。

パリジャンは英語で話しかけると冷たいというけれど、挨拶だけでもフランス語で話せば、そう邪険にはされないように思う。というか、外国人と見ると自分から英語で話してくれる人も多かったよ、特に若い人は。

ところで、上の会話で書いた Mademoiselle(マドモワゼル) の話。

Mademoiselleは若い未婚の女性、Madame(マダム)は既婚女性に使うというのが基本なのだけど、私は日本でも実年齢よりだいぶ若く見られる童顔なので、東洋人の年齢がわからないパリジャンに Mademoiselle と言われても、そんなに不思議はないと思う。
でも、いわゆる「ご婦人」というニュアンスでは、若くてもMademoiselleではなくMadameを使うとも聞く。(ちなみに英語では既婚未婚を問わず、女性に対してMadamを使う)

ネットで見てみると、「パリでMademoiselleというのは”お譲ちゃん”的な言葉。Madameと呼ばれる女性にならなければ」という日本人女性もいたし、一方では「女性は若く見られたほうが嬉しいでしょ」と意識的にMademoiselleを使うというパリジャンもいた。うーーん。時と場合によるんだろうなあ。

ギャルソンがどういう意図で私にMademoiselleを使ったのかはわからないけれど、ばかにしたというよりは、結婚していない歳の女性に見えた、というだけのことなのだろうと思う。(服装もラフだったし)

でも、この Mademoiselle に見えるということが、今回の旅行を通し、私にとってはラッキーなことだったのかもしれない。

その話は、またそのうちに。

★パリ旅行記目次

追記:
「そのうちに」が来ないまま中断しちゃってごめんなさーい!ようするに「行く先々で優しくしてもらえた」という話です。もしそれが「お嬢ちゃん扱い」だったとしても、冷たくされるよりは良かろうよ?(笑)仕事じゃなければね!