台湾・5:HISの市内観光は台風でも敢行します!中正紀念堂・自由廣場

台湾二日目。

前記のとおり、この旅行期間に台風の接近が予想されていました。
で、二日目には台北に最接近、悪くすれば直撃する可能性があるということで、私は日本から短いレインブーツを持参しつつも、「本当に台風が接近したら、二日目の観光は中止だろうな」と勝手に思っていたのです。
だって、台風の最中に観光とか、考えられないでしょ?

ところが。

やるんですよ、H.I.Sでは。台風でも連れまわし観光に行っちゃうんですよ!(笑)

ということで、この日の「連れまわし観光・台風ツアー」の話を順次ご紹介していきます。

と、その前に。

この日最初に訪れた、中正紀念堂・自由廣場について、2005年の写真で簡単にご説明します。「ご説明します」ってほどのたいした内容ではありませんが(笑)

台北の連れまわし観光といったらここは必ず訪れるだろう、中正紀念堂と自由廣場。
中正紀念堂というのは、蒋介石(中正公)を記念して作られたバカでかい建造物です。ちなみに下の写真は、記念堂を裏側(道路側)から見た様子ですが、右下に小さくぽつぽつ見えているのは人間です(笑)。建物の大きさがわかりますよね。

で、この建物の中にはワシントンD.Cのリンカーンメモリアルよろしく、蒋介石のどデカい像が鎮座しています。

うーん。椅子に座った姿といいバカでかさといい、これはやっぱりリンカーンメモリアルのパクリ真似なのかな~。

2005年に訪れた際には、ガイドさんが、蒋介石が今の台湾を作ったとか、蒋介石は最後まで中国本土に戻ることを願っていて、この像は中国の方向を向いているとか、まあとにかく蒋介石を讃えるようなことを言っていました。
台湾が蒋介石に統治(?)された経緯を知らなかった私は、ガイドさんの話を聞いて、蒋介石に同情さえしたものですが。

今思うとこの人は、戦後中国本土からやってきて、戦前から台湾にいた本省人を弾圧・粛清した張本人。台湾の人口の大部分を占める本省人にとっては、いわば憎むべき独裁者なんです。
(蒋介石とともに戦後中国から台湾にやってきた人たちは、本省人に対し外省人と呼ばれ、台湾の人口の10%程度。親日家が多いといわれる台湾にあって、日本に強い敵意を抱いているのがこの人たちのようです)

この写真↑を撮った2005年の2年後、2007年には、新たに政権をとった民進党のもと、この施設の名前は「台湾民主紀念館」に改名されました。独裁者を祀る意味合いの「中正紀念堂」という名前を変えようとしたのだとか。
ところが、政権が再び国民党(蒋介石から続く政党)に戻ると、施設の名前も元の「中正紀念堂」に戻されたのだそうで…。私はこの名前の時しか行っていない…

日本人観光客は、あまり深い考えもなく、連れられるがままにここにきて見物をして行く人が大部分かと思います(特に、ここで行われる儀丈兵の交替式は、日本人観光客に人気だそうです)。
でもよく考えると、ここ、北の将軍様の像を見せられているような施設なんですよね…。
知っていたら、本省人の人たちのためにも、そんなところでのん気に見物(あまつさえ記念撮影)なんてしたくなかったなあ。

で、中正紀念堂の前に広がっているのが自由廣場。(写真は中正紀念堂から見たものです)
だだっ広い空間が広がっていて、中正紀念堂と相対するように正門があります。

写真で見ると、広場の右側にあるのが國家音楽廰(コンサートホールなどがあるようです)、左側が國家戯劇院(こちらは劇場、舞台があるようです)。

で。
ここらで話を2010年に戻します。

この日の観光は中正紀念堂・自由廣場から始まったわけですが、前記のとおり台風が接近中。
バスを降りて歩いている間にも雨は強さを増していきます。

が、H.I.S(H.I.Sが頼んだ現地ツアー会社)の女性ガイドさん、「皆さん気をつけてくださいね~」等といいつつ、雨の中を躊躇なく、淡々と歩いていきます。
私はレインブーツにレインコートといういでだちでしたが、大部分の人は、足元は普通の靴。皆さん靴をぐしょぐしょに濡らしつつ、ガイドさんにおいていかれまいと必死についていきます。
…これ、観光というか、何かの訓練?(笑)

そして、いつしかたどり着いたのが國家音楽廰。中正紀念堂が雨に煙って見えます。

正直なところ、國家音楽廰に着くまでどこをどう歩いたのか、まるで覚えていません(笑)
多分2005年と同様、中正紀念堂を通って、自由廣場を通って國家音楽廰に来たのでしょう。でも私達のガイドさん、中正紀念堂で何か話したかなあ?何の記憶もありません。

後でわかったのですが、この女性ガイドさん、蒋介石のことをよく思っておらず、それを私達に隠そうともしなかったのです。もしかすると、意図的に中正紀念堂の話を避けた(もしくは短くすませた)のかもしれません。
そういうところに、この5年の間に台湾が変化していたことを感じました。

ともあれ、國家音楽廰の入り口で雨宿りという状態に。
ここで、この一連の施設に関して説明がありましたが、その後は自由時間、というか待ち時間。迎えのバスが付近にやってくるまで時間をつぶす必要があったようです。でも、この雨では広場に降りるわけにもいかず、ただ屋根の下にいるだけです。

うーん。何なんだろうか、この時間は(笑)

向かい側の國家戯劇院が、強い雨でかすんで見えます。

屋根からは、ドバドバと雨水が流れ落ちてきます。
すごい…。何もこんな日に観光を強行しなくても…(苦笑)

でも、現地ツアー会社にしてもれば、数百人が対応できる代案なんて難しいでしょうし、中止にしてしまうと収入にならないでしょうしね。

そして、もう一つ驚いたのが、一緒のツアーになった女の子たちが元気だったこと(笑)

こんな雨でも楽しそうだなあ(笑)

いや、ある意味、普通のお天気の中での観光より、思い出に残るかもしれませんね。
それに旅行って、どこに行くかも大切ですが、誰といくかも同じくらい大切ですよね。
若い女の子なら、仲のいい友達同士、どこに行ったって、雨で全身ビッショビショになったって、それでも楽しいんだろうなあ。

★台湾旅行記2010・目次