気仙沼でフカヒレ寿司:2013年夏・東北

今年はこれまで国内外のあちこちに旅行に出かけているのですが、お盆休みに東北に向かう人も多いかと思いますので、取り急ぎ、こちらの話を。

帰省がてらの東北旅行で気仙沼に立ち寄り、ランチにお寿司をいただきました。
いや、正確に言えば、お寿司が食べたくて…もっと言えばフカヒレ寿司が食べたくて、わざわざ気仙沼に立ち寄ったのですが。

そもそもの発端は、気仙沼に赴任していた友人が何気なく言った、「気仙沼は、おいしいお寿司がおどろくほど安く食べられるんだよね」という言葉でした。

もともと、私の中の気仙沼のイメージは「フカヒレの町」でした。
フカヒレは中華料理の高級食材ですが、食の都・香港では気仙沼のフカヒレが最上級とされていました。日本人がはるばる訪れる香港の一流店の食材が、実は日本の気仙沼産、というのがなんだか面白いな、と思っていたわけです。

で、その気仙沼は、お寿司がおいしいと。
ということは。
フカヒレ寿司はどうなのだろう、と。(笑)
おいしいお寿司と最上級のフカヒレ。最強タッグ(?)ではありませんか!(何か間違っているような気がしなくもないですが)

ってなわけで、「フカヒレ寿司なんて邪道っぽい」という旦那を説き伏せ、気仙沼に立ち寄ったわけです。

今回は車で訪れたましたが、電車の場合は東北新幹線で一関まで行き、そこから大船渡線に乗り換え気仙沼まで。

駅のホームには、山々の緑と同じ色の、どことなくレトロな雰囲気の電車(ディーゼルだけど)が停車していました。車もいいけど、こういう電車で小旅行というのも楽しいかもしれませんね。

さて、今回訪れたのは「ゆう寿司 田谷店」というお店です。なんでも気仙沼の老舗だとか。
平日はランチ用のお得なメニューがあり、今回は私は「ランチ握り」、旦那が「ランチちらし」を注文。それぞれ750円です。そのほかに、フカヒレ寿司を別に注文。こちらは一貫1050円です!一貫でランチセットより高い(笑)

旦那のランチちらしはこんな感じ。

ちらし寿司の他に、サラダと小鉢、ひやむぎがつきました。
一方、下の写真は私のランチ握りです。

サラダ類がつくのはちらしと同じ。750円なので、量的にも質的にもお手軽ランチという感じで、まあ普通かな。近隣でお仕事をしている人の平日ランチ用なのでしょう。他に通常のメニューもあるので、普通のお寿司を楽しみたい人は、そういうものを選ぶといいかも。

で、肝心のフカヒレ寿司は、一貫だけ恭しく、最後に登場しました。ちなみに名前は「トロフカヒレ寿司」となっています。

柔らかそうなフカヒレが、シャリ全体を覆っています。
一口でパクっといくと、

えっ…

とろりとしたきめの細かいフカヒレが、旨みたっぷりのスープをしっかりと含み、口の中は、まさに中華料理のフカヒレの味でいっぱいです。

うっ、うまい!
想像以上の味に、意表を突かれてしまいました。

正直なところ、これが寿司である必然性があるかどうかは微妙ですが(笑)、おいしいフカヒレを手軽に食べてみたい、なんて人にはピッタリなのでは。

なお、フカヒレ寿司と一言でいっても、店によっては味をつけないフカヒレをそのまま乗せるところもあるようです。好みは人それぞれと思いますが、フカヒレ寿司狙いで行くならその店がどういうタイプ(?)かは調べておいたほうが良いかもしれません。

震災後、しばらく停滞していた気仙沼のフカヒレですが、徐々に生産が再開され、「フカヒレの町」が戻ってきつつあるようです。お近くを訪れた際には、ぜひ気仙沼でフカヒレ寿司を食べてみてくださいね!あ、もちろん寿司じゃなくてもいいんですけど!

追記:
「フカヒレの獲り方が残忍だ」とか「環境保護が」とかなんとかで、近年アメリカや香港などで、フカヒレ料理の提供をやめる店が出てきているそうです。知りませんでした。
ただ、残忍というのは中国でサメからヒレだけをとって本体を捨ててしまったりすることを指しているようですが、気仙沼ではもともと、すり身にするサメのヒレを買い上げ、それをフカヒレにしていたそうですから、その批判はあたらない気がします。
まあ、この話にシーシェパードが出てきているあたりで、ちょっとアレな感じですが…