★これは東日本大震災当日の10日後、3月21日のエントリーです
東日本大震災で被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
今被災地以外の私達個人に出来ることは限られていますが、まずは節電や募金を。そして被災地の皆さんや、今なお救援活動を行っている皆さんのことを忘れないことも大切です。一日も早い復興に向け、日本全体で取り組んでいきましょう。
さて、実は私、この春に台湾に行く予定だったのですが、震災直後にキャンセルしました。熟慮してキャンセルを決めたわけではなく、ただ反射的に「今は旅行をしている場合ではない」とすぐ手続きしたわけですが、その理由を改めて考えるとするならば、
- この状況で、遊びに行くような気持ちになれない
- 今旅行にお金を使うなら、東北のために使いたい
- 今海外に行き、もしその間に日本に何かが起こったら…
といったところでしょう。
そもそも私達は、予定もろくに立てずに勢いで旅行に行っているので、キャンセルするのも簡単なのです。
でも中には長い間プランを考え、「今この時期にしか行けない」という人もいるでしょう。たとえばハネムーンとか、親孝行のための家族旅行とか。
そういう人たちが、この震災のことで海外旅行を自粛するべきなのかどうか。
んー、どうなんでしょう。
これはあくまで私の個人的な意見ですが、どうしても行きたい人は行ってもいいと思います。もし自分の知り合いが旅行に行くとしても、それは不謹慎だと責めないでほしい。旅行に行く事情や思い入れは人それぞれなんですから。
ただし、行く人にはそれなりの覚悟も必要だろうな、と。
まず、自分の気持ちの問題です。
「日本がこんな状態の時に、私達だけ旅行して楽しんでいる」という負い目があって、それが後々の後悔につながりそうなら、時期を改めた方がいいかもしれません。そういう人は、きっと旅先でも十分に楽しめないでしょう。
次に、周囲の人のことです。
もしご自身の住まいが被災地から遠く離れ、実感がなかったとしても、これだけの大災害であれば、身近な人の近親者に被災者がいることも考えられます。そういう人達が、旅行に行く人のことを快く思えなかったとしても、無理もありません。
あなたが旅行に行っても行かなくても、被災地の状況は変わらないでしょう。でも被災者側に立つ人の気持ちはそういう理屈では割り切れませんよね。
そういう人たちにどんな目で見られたとしてもいい、と思えないならやめた方がいいかもしれません。
そして最後に、旅行先でのことです。
日本の惨状は世界中に報じられ、各国から支援の手が差し伸べられています。私が旅行に行くつもりだった台湾でも、いち早く救援隊の派遣を表明してくれましたし、チャリティー番組で21億円もの募金が集まりました。「日本が大変な時だから」と、世界中が支援・応援してくれているのです。
そういうときに、日本の旅行者が訪れたら、どう感じるでしょう？
中には、「旅行に行って、日本は大丈夫だとアピールしてくるべき」という人もいるようですが、もし私が支援を申し出た国の側だったら、「当の日本人がのんきに旅行に来るくらいなら、ムリして募金なんてしなければよかった」と感じるかもしれません。
また、福島原発のことは海外でも大々的に報じられ、日本からの航空機、貨物に対する目が厳しくなっているようです。つまり、日本全体が放射線で汚染されているという目で見られる可能性があるということ。（仕事のための渡航でさえ、現地の人に「君は被曝してないよね」と念を押されたという話もありました）
驚いたことに、日本国内でも福島からの宿泊者を拒否する不届きな宿泊施設があるそうです。海外ならなおのことでしょう。
そういう扱いを受けたときに、きちんと事情を説明できること、また、そういう態度をとる相手を恨まないこと。この二つが出来ないのであれば、旅先で嫌な思いをすることになるかもしれません。
早い話が、「周りの人たちに、あるいは旅先で、白い目で見られてもいい！」という強い意志と覚悟と、自分なりの譲れない理由がないなら、時期をずらした方がいいのでは、というのが私の意見です。
あとは、震災の影響でフライト計画も混乱しているようなので、出入国時にトラブルがあることも前提に考えたほうがいいかもしれません。
それでも行く、という方は、どうかお気をつけて。行ったからにはクヨクヨせずに、旅行を楽しんできてください。（ただし、旅先ではしゃいだり馬鹿騒ぎしたりするのは謹んでください。「自分の国が大変な時に、日本人ってオカシイんじゃないの？」と思われないように）
そして帰国後は、被災地のために出来ることに取り組んでくださいね！
追記：台湾の皆さん、日本への温かい支援、ありがとうございます！次に海外旅行に行くときには、最初の渡航先は台湾にします！