フィッシング

サンセットフィッシング。

これは、読んで字のごとく「夕暮れ時の釣り」です(笑)
オルベリの…いや、多分オルベリに限らずどのリゾートも、エクスカーションはリゾート入りしてから申し込みし、早い者勝ちで参加者が決まるわけだけど、サンセットフィッシングもその一つ。とにかく早く申し込まないと、人気のエクスカーションは定員になってしまうので、私たちは二日目朝の施設説明会直後に、その日のサンセットフィッシングに申し込んだ…実は、それがどんなものかもよくわからなかったんだけどね(笑)

サンセットフィッシング…「ドーニー」と呼ばれるボートに乗って、海釣りをする…この言葉から、私は、小さなボートから竿をたらしてゆったりと釣りをする光景を想像していたわけですが、ちょっと、違いました(笑)

まず、ドーニーがどんなものかというと…
うーん。なんと言ったらいいのかなあ。遊園地や観光地にある遊覧用の汽車、わかります?腰辺りまでしか壁がなくて、あとは天井まで窓もはめられていない、あれ。あのボートバージョン、といえばわかるかなあ…。ようするに、天井はあるけど、壁は途中までしかないわけ。お天気によって、幌みたいなものを降ろして壁代わりにするんだけどね。一応モーターはついているけど、脚で舵をとるような、素朴な船です。そして、竿がまたちょっと変わっているんだけど…それは後でのお楽しみ。

さて夕方、参加者は桟橋に集合し、いざ海へ乗り出そう!ということになったわけですが…

その日の参加者は、イタリア人のカップル、日本人の女の子3人連れ、前日の夜ボートでびしょぬれになった女の子2人連れ、日本人カップル、アメリカ人?風のカップル、後は私たち、という感じだったかな。皆知らない人同士、なんとなくよそよそしい雰囲気で船に乗り込み、いよいよ出発!

しかーし。船の中は、案の定ほとんど無言。イタリア人カップルだけはいちゃついてたけど(笑) それぞれカップルだったり女の子同士だったりで、なんとなく話しにくいよねぇ…。そんな内部の微妙な空気はお構いなしで、ドーニーは、金色に輝く夕暮れの海を、淡々と進んでいきました。
そうそう、アメリカ人風の若い男の人だけが、すごく立派な釣り竿を持ち込んでいましたが…素朴の固まり(?)みたいな船に、妙に立派な釣り竿…それがまた変な空気の一因になっていたんだけど…本人は気づいていないだろうなあ。

で。
ドーニーで20分くらい進んだところで、いよいよポイントについたのですが、ここで、レンタル用の釣り竿が皆に渡されます…

いや、「釣り竿」じゃなくて…「釣り輪」???

そう、サンセットフィッシングに使うのは、竿ではなく、直径20cmくらいの大きな輪なんです!!! この輪の外側に釣り糸が巻きつけられていて、釣るときは輪を右手で持ち、親指で糸を押さえて出具合を調整しつつ、海にたらすというわけ…。意味、わかります?(^_^;) 上手く説明できない…
とにかく、まったくもって素朴!
餌にする魚の切り身を、日本で見るよりかなり大きめの釣り針に付け、たったこれだけで準備完了!皆それぞれに好きな場所から、文字通り糸をたらし、のんびりお魚がかかるのを待ちました。

釣れる魚は、結構大きいんですよ!こんなもので(失礼)こんなお魚がつれるんだ〜って、驚くくらい。一度釣れると、慣れない女の子たちは大騒ぎ!釣れた魚は大きいし暴れるしで、ちょっと恐いんだもん…。

しかしたったこれだけの仕掛けでも、釣れる人・釣れない人がいるんですね〜。3人連れできた女の子の一人は、まず一番最初に釣れ、その後も、場所を変えてもずーっと釣れ続けて。一人で10匹は釣ったんじゃないのかな?一方で、釣れない人は全然…特に、例の釣りざおを持ってきた彼は、最後まで一匹も釣れなくって…あの立派な竿が余計に物悲しい…

といいつつ私たちも、二人でたった4匹。ちょっと寂しかったかも…(苦笑)

でも、釣れる楽しさは、何も自分の釣り糸にかかった魚だけじゃなくて。
誰かが釣れると、皆で大喜び!この魚は何だとか、大きいだの小さいだの、いつのまにか、全員がすっかりはしゃいでいました。

夕暮れから始めたサンセットフィッシングですが、あたりが薄暗く、視界が悪くなってきた頃、とうとうお開き。ふと気が付くと、紫色に染まる西の空がなんともいえずきれいでした。そういえば、海の上でこんな景色を見るの、初めてだったなあ…。

あの「微妙に気まずい」雰囲気も消えた船内で、他のお客さんとも言葉を交わしながら帰途についたのでした。

リゾートへ帰りついく頃には、あたりは真っ暗。桟橋まで散歩にきていたほかのお客さんが、今日の水揚げ(笑)を覗き込んで、興味津々。「これは何のお魚ですか?」なんて声をかけてきたり、「この次は参加しようよ!」なんて相談を始めていたり。

モルディブで最初に体験したエクスカーションは、私たち二人を、最後までほのぼのといい気持ちにさせてくれたのでした。