香港・12:星野博美さんを追って・深水埗1

川龍村で朝飲茶(早茶)を楽しんだ後、再びミニバスで荃灣へ戻り、MTRへ。
次の目的地は、最近ガイドブックなどでもチラホラ目にする深水埗(シャムスイポ 文字化けしていたらスミマセン、「ポ」の字は、「土歩」と書きます)。荃灣から見ると、太子の一つ手前の駅になります。

このあたりは電気街として有名で、日本で言うと秋葉原のような場所。そのほか周辺にはおもちゃやビーズなどの問屋街もあり、地元の人で賑わっています。
でも私がここに来たのは、そういうお店を物色するためではありません。ノンフィクション「転がる香港に苔は生えない」の著者、星野博美さんが中国返還をはさんで2年間暮したのが、この深水埗なのです!

なにしろ私が1年半ぶりに香港に来たのも、この星野さんの名著を読んだから。ページをめくるたびに香港の音や匂い、空気を感じて、たまらなくなってしまったのです。
(注:「転がる香港に苔は生えない」は、私のようなミーハー香港好きがあれこれ言えるようなノリの軽い作品ではありません。香港と、そこに生きる人たちに深く切り込んだ、ハードボイルドなノンフィクションです。いや~もう、しびれます!)
とあらばやはり、星野さんが無性に惹きつけられた街を、自分の目で見てみたいじゃありませんか!

ということで深水埗、それも星野さんが暮らした鴨寮街にやってきたわけですけどね。
街の雰囲気は想像していたのですが、これがまた、想像以上にディープというかなんというか。

道自体は広いんですが、その道にズラーッと露店が出ていまして、その露店が、本物なのかバッタものなのかよくわからないような、いろいろなものをゴチャーッと陳列して売っている。男人街などよりよほどアヤシイ。

この、大通りに露店が並ぶ様子は香港ではよく見かけますが…前々から気になっていたのですが、これ、実際に店を構えている側は迷惑じゃないんですかね??

肝心の実店舗の前はこんな感じ↑。完全に露店の陰に隠れて、通りを歩く人からはよく見えないんですが…。

でもまあ、本当に何かを探している人は、そういうお店もくまなく歩くということなんでしょう…私の旦那とか(苦笑)
どうやら旦那にとってこの街は、それはもうエキサイティングらしくて(笑) というのも、ジャンクなものだけでなくプロ用の機材も、日本では考えられないくらい安いんだとか。あちこちのお店を覗いては、めぼしいものを物色しています。

いつまでも店から出てこない旦那を待って、やや途方に暮れるワタクシ(笑)

店の前でボーッと旦那を待っていると、露店の裏にこんなボックスのようなもの↑が付いているのに気付きました。お店の電気関係の何かでしょうか?露店といっても、いっちょまえの店舗なんですね。
しかし、このレトロな感じが何とも…

露店の粗末な屋根の向こうに、新しいとは言えない建物の、無数の窓が見えます。
香港ではよくある光景。でもこんな窓の一つから、星野さんが鴨寮街の様子を眺めていたんだなあ、と思うとなにやら感慨深い。
そう、この通りに面したとある建物に、星野さんが実際に住んだ部屋があるんです!

この続きは、次回!
旦那、はやく物色終わらせて~!

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