香港・37:徳成號の鶏蛋巻(エッグロール)

北角で行きたかったもう一軒のお菓子屋さん。そこで買うのは、その場で食べるものでも、ホテルへテイクアウトするものでもありません。日本に持ち帰るおみやげ用。
地元で人気の鶏蛋巻(エッグロール・広東語ではガイダンギュン)のお店、徳成號です!

昨日はエッグボール、今日はエッグロールで、なぜか「エッグ○ール」が続いていますね(笑)。
で、そのエッグロール、鶏蛋巻は、香港ではおなじみの菓子ですが、私は奇華餅家のものしか食べたことがありませんでした。
(あ、上海でも買いました。が、香港のものとは違って、やたらと大きく、味も大雑把でした…。ということで、私の中では、上海のあれはなかったことに…)

奇華餅家はどのお菓子もおいしいですよね。ここのエッグロールも旦那と自分の実家への香港土産にしたことがありますが、評判も上々。
でも、徳成號の鶏蛋巻は、他とは比べ物にならないくらいおいしいんだそうで。

そんなにおいしいなら、やはり一度くらいは食べてみなければ…
と、エッグボールとほぼ同じ理由で(笑)北角のお店にのこのこやってきたわけです。

ただ、一つ問題が。

このお店、確実に手に入れるなら予約が必要、というほどの人気らしいんです。それも混雑時には数週間待ち、なんてレベルで。お店で売る分も多少はあるらしいのですが、さて、突然行って、買えるかどうか…。

場所はトラムが通る露店街の一本向こうの通り。お店はすぐに見つかりましたが、鶏蛋巻の缶が積み上げられる中で、店員さんが数人、何か忙しそうにしています。販売店というより、まるで問屋さんみたい。

うーん。ここで買えるのかなあ…

とにかく聞いてみようと店員さんに声をかけると、作業をしていた男性(年齢はおじにいさん、ってところかな)は、「今日はもう買えないよ」との返事。
あ~。やっぱり無理かあ…。
そりゃそうだよね、時間も遅いし、予約もしてないもんね…。(後から知りましたが、飛び込みで買うなら午前中にいかないと売れ切れてしまうらしいですよ!)

私は、しかたがないとあきらめ、お礼だけ言って引き返そうとしました。
するとそのおじにいさん、「やれやれ」といった感じにため息をつきました。そして、「どれがいいの?これ?小さい缶でいいの?」と数種類の鶏蛋巻の缶を指さし、「いくつ?ひとつ?」と、積み上げられていた鶏蛋巻を一つ、ビニール袋に入れて、私に差し出してくれたのです!
(写真は日本に帰国してから撮ったものです。↓このレトロな包み紙がまたなんとも…)

ええ~っ、いいんですか?

おじにいさんはおそらく、買えないと知ってガッカリした私を気の毒に思ったのでしょう。
私はお金を払って缶を受け取り、満面の笑みで「ありがとう!」とお礼を言いました。すると、それまでムッツリしていたおじにいさんは、ちょっと照れ臭そうに、でも満足げに、にっこりと笑いました。

私は、時々出会う、香港の人のこういう笑顔が好きです。
日本人は基本的に、他人と接する時には笑顔を作ることが多い気がしますが、香港の人(観光客相手の接客業以外)は、むやみに笑顔を振りまきません。でも「本当にそういう気持ちになった時」には、こうして笑顔を向けてくれる。心のある笑顔なんだと感じるのです。

ということで、念願の鶏蛋巻をゲット!店の外で待っていた旦那に事の次第を報告すると、「君の、その悲しげな顔は得だねえ」と笑われました。(でも元からそういう顔だからなあ…)

さて、日本に持ち帰った鶏蛋巻、一缶しかないので、今回は当然おみやげではなく自宅用に(笑)。
レトロな包みを開けると、缶にはギッシリ鶏蛋巻が詰まっていました!

それにしてもこの缶、なつかしい雰囲気ですね~。「おばあちゃんが戸棚に大事にしまっていて、時々孫に出すお菓子」というイメージ…。いや、いまどきの若いおばあさんは、ここまでレトロじゃないか(笑)

食べてみると、食感はサクサクで、口の中でホロホロと崩れて溶けていきます。薄~い生地が丁寧に巻かれているので、こんな食感になるのでしょう。バターの香りとふんわり優しい甘みが素朴な、手作り感たっぷりのお菓子。

豪華さは全くありませんが(スミマセン 笑)、んー、何といったらいいのかなあ、「大事に食べたいお菓子」といったところでしょうか。
このお菓子の醸し出す「おばあちゃん」っぽさと、一缶ゆずってくれたおじにいさんへの感謝が、多分にそう感じささせるのもしれません。

ちなみに私が購入したのはバター味(鮮牛油蛋巻)。他に卵味(オリジナル)とココナツ味があるそうです。
今度買うときには、ちゃんと予約して行かなくちゃ!(そして大量に買い込みそうな自分がコワイ…笑)

徳成號(Open Rice)

★香港2010年旅行記 目次

“香港・37:徳成號の鶏蛋巻(エッグロール)” への4件の返信

  1. ★hanakoさん、

    Jenny Baker、行かれたんですね!
    パイナップルパイが食べてみたくて、今回も行こうかどうか迷ったんです。
    でもそのためだけに赤柱に行くのも…と諦めたのですが、
    支店ができていたんですね!調べておけばよかった~!
    今度はぜひ行ってみますね!

    hanakoさんは沖縄もお好きなんですね。
    私は今回ほぼ初めて…のようなものでしたが、
    沖縄も、一度行くとまた行きたくなる場所ですね。
    旅行記を書きつついろいろ思い出し、
    また行ってみたいなあ、なんて(笑)

  2. こんばんわ(^-^)

    そういえば、JennyBakerのクッキーは食べられましたか?
    香港女子的裏グルメで紹介されていたお店ですが、支店がいろいろ出来ていました。
    開店前から並んで買ったのですが、これもとっても美味しく、同僚たちからも本当に好評でした。

    そうですね、ごちゃごちゃしてる中でも、不意に緑があってオジイたちが鳥自慢している感じは、吉祥寺の持っている雰囲気と似てるかもです。唯一、香港は空気がダメでした(笑)

    あ、、、そして私は沖縄も大好き。沖縄も結構リピしています。

  3. ★hanakoさん、

    初めまして、コメントありがとうございます(^^)

    エッグロール、食い下がって2缶買ったんですね!
    私にはそこまでできませんでした(笑)
    でも、本当は3缶くらいほしかったなあ…

    hanakoさんも吉祥寺界隈の方なんですね。
    吉祥寺と香港ってどこか似ている気がしませんか?
    吉祥寺が好きな人は香港も好きそう…と勝手に思っています(笑)

  4. こんにちわ!わたしは12月に香港で徳成號のエッグロールを獲得してきました。同じように「1箱スモールならいいよ」と折れたおじさんに、「もう1箱!」と食い下がり2箱もゲットしたガメツイわたしです(笑)
    吉祥寺ランチといい、香港グルメも、方向性が似ていて勝手に親近感を感じてしまいました~!今後もお邪魔します。

コメントは受け付けていません。