民樂旗魚米粉湯とトーサン世代:台湾・30

前回の続きです。
林合發油飯粿店があるのは永楽市場という大きな布市場のすぐそば(※)ですが、この周辺には種類も規模もさまざまな問屋さんが軒を連ねていました。 ※当時は市場の外だったと思うのですが、今は市場の1階に移転したようです

ここは薬草のお店のようですが、こういうなんともノスタルジックな雰囲気が、見ているだけで楽しい。

こういうのを漠然と“楽しい”と思うのは、その状況が詳しくわからないためもしれませんね。日本の朝市なども好きですが、その場合は、何を売っているのか、何をしているのか、安いか高いか、品質は…などなど、ある程度はわかるからなあ…

2件目に訪れたのは、こういう雰囲気の一角にあるお店、民樂旗魚米粉湯です。

なお、お店の外観などの写真はありません。なぜなら、あまりのローカル度に、カメラを出すのがはばかられたからです(笑)。正直なところ、ちょっと怖かった…。興味のある方は、Google Map で写真を見てくださいね。なお当時は、Google Mapで見る様子よりもさらにマニアック(?)で、日本語のメニューなんてなかったです!

でも、そんな超ローカルなお店で、嬉しい出会いが。

屋外に並べられたテーブルに座り、ちょっと冒険しすぎたかなあと思っていたところで、突然「こんなところ、よく知ってるねえ!」と大きな声で、それも日本語で話しかけられました。振り返ると、全く見ず知らずのおじいさんです。

「日本人でしょう?こんなところ、観光客が来るようなところじゃないのに」というようなことを、ネイティブな日本語で。そう、その人はトーサン世代、かつて日本人だった台湾人の方でした。
おじいさんは本当に通りすがりという感じで、「よく調べてきたね」とふたことみこと言葉を交わし、笑顔で去っていきましたが、多分私たちが浮きまくっていたので(笑)声をかけてみたのでしょう。

実はこの前日、カメラ街のお店でも、トーサン世代のおじいさんに声をかけられました。詳細は割愛しますが、その人が「大事なのは教育です。私はちゃんと日本の教育を受けましたから」と誇らしげだったことが印象に残りました。

海外に出ると、日本のことを振り返る機会がたくさんありますね。

話がそれましたが、このときいただいたのは、米粉湯と海老の揚げ物です。

米粉湯は素朴であっさりとした味。店名にもある「旗魚」(カジキマグロ)のだしだそうです。麺は短めでプチプチした食感で、全体的にやさしい味わいでした。

あ、海老?海老は…実は覚えていないんです、スミマセン(苦笑)。でも、魚系であっさりした米粉湯と海老の揚げ物は相性がよさそう。ちなみに、米粉湯と一緒に何らかの揚げ物を頼むのが、ここでのオーダーでは一般的のようです。

おいしかったですが、強烈な印象は残っていないので、私たち夫婦の好みとしては「まあまあ」という感じだったのかな。でもローカル度満点の店舗や声をかけてくれたおじいさんのことは、バッチリ記憶に残っています。

ツアーについてくる食事やホテルの朝食は楽(らく)ですが、こういう地元のお店で食べるのは楽しいなあ、と実感した朝食でした。(「楽」と「楽しい」って、同じ字でも意味はだいぶ違うなあ、と書きながら思う)

★これは2010年の様子です。これから行かれる方は最新の情報を確認してくださいね。
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