まだまだハッピーバレーからの帰り道です。
謎の馬オブジェのあたりから再びテクテク歩き、10分ほどで、トラムが通るヘネシーロードにたどり着いきました。

ここは銅鑼湾(コーズウェイベイ)と湾仔の間あたりかな。
私にとって湾仔は、香港島の地下鉄駅がある街の中で最も縁が薄い場所です。わざわざ足を運んだのは、龍門大酒楼くらいかなあ。
海沿いはコンベンション&エキシビションセンターやラグジュアリーなホテルがある洗練されたエリアですが、南側、もともとの湾仔の街自体は、昔ながらの街並みが残された場所でした。(しつこいですが10年前の話です)

なんというか、どこか素朴な感じ?
そんな中で、「これは!」というビルを見かけました。

わー、レトロな建物… イギリス風の歴史的な建物とは違う、「ひと昔前」的な古さ。日本でいえば「昭和30年代」っぽい古さです。ここは何なんだろう?現役で使われている建物っぽいぞ…

角の部分がアールになっているのが、数十年前のトレンドっぽくてイイ(注:極めて個人的な感想です)。このときは、このビルが何かは分かりませんでしたが、とにかく気に入ったので(笑)写真を撮っておきました。
で、巴斯墳場のときと同じように、今になってGoogle Mapで調べたのですが…
それらしき場所に、このレトロな建物は見当たりません。
あるのは工事現場らしき鉄骨です。
看板にある「同徳大押」で調べたところ、
なんと。このビルは2015年に取り壊しになっていたのです。
同徳大押というのは、ここで営業していた質屋さんの名前でした。
このビルは1954年に建てられたもので、香港の歴史的建造物にも指定されていたとか。貴重なビルの取り壊しには反対運動もあったようですが…うーん、オーナにしてみれば、単なる「古い不便なビル」ってことだったんでしょうね。
1954年ということは、昭和29年。その当時はモダンな建物だったんでしょうね。
ということで(どゆこと?)レトロ写真風に加工してみました。

我ながら、ちょっとそれっぽいわ(笑 まあそもそもがレトロだからなあ…)
それにしても「レトロっぽくていい(だから残してほしい)」というのは、実際には使わない人の(ある意味勝手な)感想だよなあ、と考えさせられました。
でもそうはいっても、「昔のものが姿を消していくのは寂しい」という気持ちも、やっぱり感じてしまいます。10年前の写真を掘り返しつつ、なんだか複雑な気持ちになりましたです、ハイ。
※これは2011年、今から10年前の旅の記録です